シュガークラフト

シュガークラフトの歴史・由来

世界で最も美しく、優美なお菓子、シュガーケーキデコレーションは、本来シュガークラフトと呼ばれ、19世紀イギリスでヴィクトリア女王時代に発展したものです。

シュガークラフトに代表されるものの一つとして、ウェディングケーキが挙げられます。ウェディングケーキの発祥と思われるのは、紀元前のローマにさかのぼります。その時代には、花嫁に向かって小麦を投げることが習慣としてありました。しかしその後には投げた小麦を食べることが出来るようにケーキにかわり、そのケーキを投げたりしたこともあったようです。この習慣はイギリスまでも伝わり、中世に入ってからは、時代の風習に合わないということで、ふたたび小麦や米を投げるようになり、ケーキは姿を消していきました。それから17世紀ころになり、今度はビスケットやスコーンに変わっていきましたが、これが現在あるウェディングケーキの基礎になっていきます。これは結婚式の招待客が、持ち寄ってきたものを一か所に山のように高く積み上げた山が高ければ高いほど2人の生活が豊かになるといわれてきました。またこの高く積み上げた山が崩れないように、糖衣を掛けて固めるようになり、これがシュガーケーキデコレーションケーキの基礎になっています。ビスケットやスコーンの部分は、次第に日持ちのするフルーツケーキに変わりました。

丸型のケーキを幾段にも積み上げていくケーキを最初に思いついたのは、18世紀、イギリスの菓子職人ウィリアム・リッチ(1755~1811)です。ヒントとなったのはロンドンにある、二千年もの長い歴史を持つセント・ブライト教会でした。リッチは特に塔の美しさが名物のこの教会を眺めながら仕事をしていて、ウェディングケーキの形を思いついたといわれています。この形のウェディングケーキを有名にしたのは、ヴィクトリア女王とアルバート公の為に作られたウェディングケーキで、この時代のイギリス大英帝国の名をほしいままにする栄華の時代で、ヴィクトリア様式と呼ばれる重厚で華麗な芸術様式を生み出したことで有名です。これをお菓子に表現したのが別名ヴィクトリアンケーキとも呼ばれるようになりました。このケーキの特徴は、粉砂糖で作るアイシングを用いた、絞りで曲線を幾重にも施して飾り付けていく豪華なものです。
数年後には、細い口金で線を絞るレースワークが生まれ、1912年ころにはケーキの様式が変わり、細工物を引き立たせるためにケーキの表面の空間が多くなりました。1925年~1935年頃は花嫁のドレスに合わせて色付けされたウェディングケーキが流行し、それ迄の白一色のウェディングケーキは一変しました。
その後、オーストラリア、アメリカ、イギリス、南アフリカなど様々な国で様々な手法が生まれ、シュガーケーキは一段と華やかに発展していきました。

Mammy Sweets Art主宰 田邉美佐紀

シュガークラフトの代表的な技法

シュガークラフトテクニックは様々な技法があり、日々進化しています。その中でも伝統的な技法をご紹介します。

#01   リボンインサーション

ペーストにリボン幅に切り込みを入れ、カットしたリボンを差し込み、リボンがケーキの中を通ったり出たりしているように見せる技法

#02   フリル

ペーストを薄くのばし、フリル状にする技法

#03   ランナウト

アイシングで縁取りをした中に柔らかく溶いたアイシングを流しいれ、乾かして飾りを作る技法

#04   フリグリーワーク

デザインの上に細い口金(No.00~1)でアイシングを絞り、乾かしてから、組み合わせたり、立てたりして、針金細工のように細い線でできた飾りを作る技法

#05   コーネリーワーク

細い口金を使いアイシングでSWMの文字を書くように描く技法

#06   エクステンションワーク

細い口金を使いアイシングでラインを絞る技法

#07   バスレリーフ

花や人形等を半立体的に作り、プレート等に飾る技法

#08   バスレリーフ

平らな布地に見立てたペーストに細かなひだを寄せ、一本ずつひだ山の上を刺繍糸代わりのアイシングですくっていくことで様々な模様を作っていく技法

シュガークラフトで使う食材・道具

シュガークラフトで使う食材・道具

基本材料
基本的な材料にはペースト・卵白・粉糖・トラガントガム・タイロース・CMC・ショートニング・酸・ゼラチン・食用色素・アルミニウムレイキ(ダスティングパウダー)等を使用します。

基本的な道具
ロールピン・スポンジパット・ノンスティックボード・口金等の基本的な道具の他歴史ある工芸細工であるシュガークラフトには、様々なカッターやモールドがり、初心者でも楽しめる物となっています。

シュガークラフトで広がる活躍のステージ

お教室運営にあたって、SNSの活用は欠かせないものとなっており、インスタグラムに代表される写真の大切さは皆様の知るところでありますが、その写真映えに欠かせない造形の美を取り入れることができる伝統的な工芸菓子であると思います。可愛い、綺麗な、写真映えするちょっとした細工や工夫を取り入れるのに是非活用していただければと思います。

シュガークラフトで広がる活躍のステージ

シュガークラフトレッスン情報

Mammy Sweets Art主宰 田邉美佐紀

Mammy Sweets Art主宰 田邉美佐紀
Mammy Sweets Art主宰。アメリカウィルトン社ローズ氏の直接指導研修を受講後、世界初のウィルトンメソッド公認教室に認定される。イギリスシュガークラフト協会会員。
ジャパンシュガーアートコンテストウェディングケーキ部門人気投票金賞受賞/第4回シュガークラフトグランプリ日本大会全日本士厨司協会賞受賞/帝国ホテルスイーツアートコンペティション金賞受賞/生涯学習開発財団認定シュガークラフトディプロマ講座、アイシングクッキー認定講座、フラワーゼリーケーキ認定講座主宰

【オーダーケーキ制作実績】

  • ・うんこミュージアムのプリンセスルームのスィーツ担当制作
  • ・星のリゾートトマムのカフェアイテムのシュガークラフト製雪の結晶制作
  • ・フォリフォリフラッグシップ一周年記念イベント用ケーキ制作
  • ・帝国 ホテルアーケードクリスマスイベントで3年連続メインモニュメントの監修・制作を担当、4メーターの巨大ケーキを展示
  • ・国内外で人気のアートディレクター清川あさみ氏とハーケーンダッツコラボイベントのメインモニュメントを担当し、4mの巨大ケーキを制作、表参道ヒルズにて展示
  • ・Cath Kidston (キャスキッドソン)20周年記念イベント全国店舗ディスプレー用ケーキを制作
  • ・「キリン午後の紅茶」CM用ケーキ制作他、雑誌、テレビ、広告掲載多数。

Mammy Sweets Art(東京都大田区)
https://www.mammysweetsart.com/

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